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一种新型职业性癌症:胆管癌

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发表于 2013-12-16 10:16:31 | 显示全部楼层 |阅读模式

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一种新型职业性癌症:胆管癌 简介:最近,日本大阪市立大学医学院肝胆胰外科的Kubo S教授发现了一种新型的职业性癌症,研究发表在2013年11月的《日本癌症与化疗杂志》上。研究结果发现,日本大阪市的一家印刷公司的胶版印刷部门过去或现在的工人的胆管癌发病率非常高。这些工人年龄相对较小,并且常接触一些化学物质,包括有机溶剂如二氯甲烷、1,2-二氯丙烷。尽管胆管癌的确切病因仍不清楚,但胆管癌的发生发展很可能是由于接触这些化学物质引起的。一些化学物质可以作为环境因子导致胆管癌的发生。因此,研究人员相信,胆管癌是一种新型的职业性癌症。


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はじめに
2012 年5 月,大阪の印刷事業場の元あるいは現従業員
に胆管癌が多発している事例が報告された。厚生労働省
による「印刷事業場で発生した胆管がんの業務上外に関
する検討会」の報告書である「化学物質ばく露と胆管が
ん発症との因果関係について〜大阪の印刷事業場の症例
からの検討〜」1Mが2013 年3 月に公表され,そのなかで
今回の事例では,①胆管癌は,ジクロロメタン(di -
chloromethane: DCM)または1,2-ジクロロプロパン
(1,2-dichloropropane: DCP)に長期間,高濃度曝露する
ことにより発症し得ると医学的に推定でき,② 本件事業
場で発生した胆管癌は,DCP に長期間,高濃度曝露した
ことが原因で発症した蓋然性が極めて高いことが報告さ
れた。本件にみられたような比較的若年者に極めて高い
頻度で発生し,DCM やDCP などの化学物質が原因と推
定される胆管癌は現在までに報告されていない。すなわ
ち,新たな環境因子による職業癌であると考えられる。
本稿では本事例での症例の特徴を踏まえて,化学物質と
胆管癌発癌に関する報告をまとめた。
第40 巻第11 号2013 年11 月1451
〔Jpn J Cancer Chemother 40«11M: 1451-1454, November, 2013〕
久保正二*1 竹村茂一*1 坂田親治*1 浦田順久*1 田中肖吾*2
中沼安二*3 圓藤吟史*4
姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻姻
新たな職業癌:印刷労働者にみられた胆管癌
要旨2012 年5 月,印刷事業場で比較的若年の元あるいは現従業員に胆管癌が高率に発生している事例が報告された。これ
らの従業員は当事業場のオフセット校正印刷部門に勤務しており,有機溶剤を含む多くの化学物質に曝露されていた。なか
でもジクロロメタンや1,2-ジクロロプロパンなどの化学物質に高濃度に曝露されていたことが推定されている。原因物質の
特定は困難な状況ではあるものの,化学物質が原因と推測される胆管癌であり,環境因子による新たな職業癌と考えられる。
本件は胆管癌発癌の要因やメカニズムを検討する際に,種々の化学物質などの環境因子を考慮する必要があることを示して
いる。
●特集● 環境による発ガン
Cholangiocarcinoma Developing in Printing Company Workers: A New Type of Occupational Cancer: Shoji Kubo*1,
Shigekazu Takemura*1, Chikaharu Sakata*1, Yorihisa Urata*1, Shogo Tanaka*2, Yasuni Nakanuma*3 and Ginji Endo*4
(*1Dept. of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery, Osaka City University Graduate School of Medicine, *2Dept. of Surgery, Ishikiriseiki
Hospital, *3Dept. of Human Pathology, Kanazawa University Graduate School of Medicine, *4Dept. of Preventive Medicine
and Environmental Health, Osaka City University Graduate School of Medicine)
Summary
The incidence of cholangiocarcinoma among the past or present workers in the department of offset color proof-printing at
a printing company in Osaka was extremely high. The workers were relatively young and were exposed to several chemicals
including organic solvents such as dichloromethane and 1,2-dichloropropane. Although the exact cause of cholangiocarcinoma
in the patients remain unknown, it is likely that the development of cholangiocarcinoma was triggered during exposure to
these chemicals. Some chemicals can act as environmental factors that lead to the development of cholangiocarcinoma.
Therefore, we believe that cholangiocarcinoma is a new type of occupational cancer. Key words: Cholangiocarcinoma, Printing
company, Chemicals, Organic solvent, Corresponding author: Shoji Kubo, Department of Hepato-Biliary-Pancreatic
Surgery, Osaka City University Graduate School of Medicine, 1-4-3 Asahimachi, Abeno-ku, Osaka 545-8585, Japan
*1 大阪市立大学大学院・肝胆膵外科学
*2 石切生喜病院・外科
*3 金沢大学医薬保健研究域医学系・形態機能病理学
*4 大阪市立大学大学院・産業医学
連絡先: 〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1-4-3 大阪市立大学大学院・肝胆膵外科学
久保正二
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Ⅰ.胆管癌の要因と発癌過程
ほとんどの胆管癌の原因は不明である。胆管癌の発生
率は地域によって異なり,発症率の高い地域としてタイ
北東部が知られている。その原因は肝吸虫(Opisthorchis
viverrini)であり,発症率は10万人に対し87 人と
報告されている2-4)。従来より,胆管癌の危険因子には原
発性硬化性胆管炎,膵・胆管合流異常,肝内結石,肝吸
虫(Clonorchis sinensis やOpisthorchis viverrini)に加
えて,ニトロソアミンなどの化学物質が報告されてき
た2-6)。その他に,炎症性腸疾患,B型肝炎ウイルス,C
型肝炎ウイルス,HIV ウイルス,肝硬変,糖尿病,肥満,
アルコール多飲,喫煙と胆管癌の関連が指摘され7-9),さ
らにInternational Agency for Research on Cancer
(IARC)10)によると,アフラトキシン,経口避妊薬,プル
トニウム,トロトラストも危険因子として報告されてい
る。一方,IARC10)によると,印刷工程,カーボンブラッ
クやニトロソ化合物はgroup 2B(possible carcinogen to
humans)に分類されている。しかし,これらが要因とな
る癌腫として,咽頭・喉頭癌,膀胱癌,腎癌,白血病の
報告はみられるものの,胆管癌の報告例は現在までにみ
られない。
なお,本件事業場で用いられていたDCM,DCP およ
び1,1,1-トリクロロエタンはGlobally Harmonized System
of Classification and Labelling of Chemicals11)による
と,category 2(suspected human carcinogens)に分類
され,IARC10)によるとDCM はgroup 2B に分類されて
いる。
胆管癌発癌においては,宿主の遺伝的要因に加えてニ
トロソアミンやトロトラストなどの化学物質では遺伝子
傷害を来し,原発性硬化性胆管炎,肝内結石や肝吸虫で
は慢性炎症が発癌を惹起すると考えられている。この慢
性炎症やウイルス性肝炎などは発癌のsecond hitとして
の役割も果たすと考えられ,それらが組み合わさること
による発癌の過程が推測されている4)。原発性硬化性胆
管炎,肝内結石や肝吸虫などに起因する胆管癌症例の手
術標本の病理学的検索によると,胆管の慢性炎症像に加
えてbiliary intraepithelial neoplasiaやintraductal papillary
neoplasm of the bile duct などの前癌病変あるいは
早期癌,さらに浸潤性胆管癌の像がみられることが報告
されている12-15)。これらの所見は,胆管癌の多段階発癌
の過程を示していると考えられている。
Ⅱ.本件事業場における胆管癌症例
現在までに大阪の本件事業場の元あるいは現従業員に
発生した胆管癌は17 例に確認されている。厚生労働省
の報告1)の時点での胆管癌16 例を基に,1991 年4 月以
降(現社屋に移転)に校正印刷部門に在籍した男性労働
者70 人を観察集団とした胆管癌の罹患リスクを算出す
ると,日本人男性の平均罹患率の1,225.4 倍(95%信頼
区間700.2-1,989.6)であり,極めて高い罹患リスクで
あった。この胆管癌17 例全員が本件事業場の校正印刷
部門に勤務しており,他の部門勤務者では胆管癌の発症
はみられなかった。この17 例が勤務していた際,インク
の洗浄剤として多量のDCM,DCP,1,1,1-トリクロロ
メタンなどの有機溶剤を含む多くの化学物質が使用され
ていた。厚生労働省の報告1)などによると,この17例全
員が曝露した有機溶剤はDCP であり,17 例中11 例が
DCM にも曝露していた。また,独立行政法人労働安全
衛生総合研究所の報告16)によると,当時の空調システム
を想定した模擬実験では排気量は多かったものの還流率
が56%に達しており,汚染された空気が循環するため同
作業室は極めて悪い換気状況にあったことが高濃度曝露
につながったと予想されている。また,模擬作業を行っ
たところ,個人曝露はDCM 130〜360 ppm,DCP 60〜
210 ppm であり,これは米国産業衛生専門家会議
(ACGIH)17)の8 時間平均許容濃度(DCM 50 ppm,DCP
10 ppm)のそれぞれ2.6〜7.2 倍,6〜21 倍程度の曝露
であったと報告されている。
本件における胆管癌17 例の診断時年齢は25〜45 歳
と,通常の胆管癌の好発年齢(70 歳台)と大きく異なる。
われわれが以前に17 例中の1 例を報告しているが18),
これら17 例の胆管癌は腫瘤形成性肝内胆管癌,胆管内
発育型胆管癌や乳頭型肝外胆管癌などであった(図1)。
また,主腫瘍以外の胆管の慢性傷害像や前癌病変がみら
れる症例があることが特徴であった。このことから,有
機溶剤などによる化学物質が胆管癌発癌に関与した可能
性が推測されている。なお,背景肝が観察できた全例で,
肝硬変や進行性の肝実質病変はみられなかった。
一方,本件事業場ではこれらの有機溶剤に加えて多く
の化学物質が使用されていたが,使用された化学物質の
すべてが同定されたわけではなく,使用された化学物質
の観点からの正確な原因の追究は困難な状況にある。
Ⅲ.DCM・DCP と発癌
本件事業場での胆管癌発症に最も関与した可能性が高
いと考えられている化学物質がDCM とDCP である。
ヒトおよび動物におけるDCM の代謝にはCYP2E1
が関与するCYP 経路とGSTT1-1 が関与するグルタチ
オンS-転移酵素(GST)経路が存在する。低濃度曝露で
は,主にCYP経路で代謝され,高濃度曝露ではCYP経
路が飽和するため,GST 経路が活性化する。GST 経路
1452
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ではDCM はグルタチオン抱合されてS-(クロロメチ
ル)グルタチオンとなり,さらにホルムアルデヒド,ギ
酸を経て二酸化炭素に代謝される(図2)19)。動物実験に
おいてはDCM がGST 経路において代謝された際に生
じる中間代謝物であるS-(クロロメチル)グルタチオン
やホルムアルデヒドがDNA 損傷を引き起こし,発癌に
至るメカニズムが考えられている。実際,マウスにおけ
るDCM 吸入曝露試験では,肺胞・気管支腺癌,肝細胞
癌,肝細胞腺腫が用量依存的に増加したと報告されてい
る20)。一方,ラットにおいても乳腺線維腺腫や肝臓の腫
瘍結節や肝細胞癌がやや増加傾向にあったものの,用量
依存性はなかったと報告されている20)。なお,ハムスター
の吸入曝露試験では腫瘍の有意な発生増加はみられな
かった21)。これらの違いはGST 経路の活性の種差によ
るものと考えられている。ヒト肝臓組織切片を用いた
GSTT1-1の免疫組織化学的研究によると,GSTT1-1 は
胆管上皮細胞と門脈周辺部の肝細胞で最も高く発現し,
特に胆管上皮細胞では核内に,肝細胞では核内または細
胞質内に観察されたと報告されている22)。
一方,疫学研究においては,Lanes らが米国の三酢酸
セルロース繊維工場で高濃度のDCM に曝露した労働者
のコホート研究がみられ,肝癌と胆管癌の標準化死亡比
が5.75(95%信頼区間1.82-13.78)であり,肝癌(1 例)
と胆管癌(3 例)のリスクが高かったことを報告した23)。
しかし,その後のLanesらによる追跡調査の結果では肝
癌と胆管癌発生の有意性は消失している24)。
以上の結果やUS Environmental Protection Agency
からの報告(2011 年)25)などを勘案して,血液中に移行
したDCM は高濃度の場合,GSTT1-1 が局在する胆管
上皮細胞で代謝されるが,その際産生される中間代謝物
が発癌に関与している可能性が推測されているが,直接
的な証明は行われていない。
DCP の代謝にはCYP2E1 が関与することは明らかに
されているが,GSTの関与に関しては不明である。マウ
スにおけるDCP の強制経口投与試験において肝細胞腺
腫と肝細胞癌の発生率が有意に増加しており,肝細胞腫
瘍の発生には用量相関があると報告されている26)。ラッ
トにおける強制経口投与試験において,明らかな発癌性
を示す結果は得られていない26)。日本バイオアッセイ研
究センターはDCP のマウスに対する吸入曝露試験にお
いて,雄ではハーダー腺腺腫の発生増加,雌では細気管
支-肺胞上皮癌を含む肺腫瘍の発生増加が認められたと
報告している27)。また,ラットに対するDCP の吸入曝露
試験において鼻腔平上皮乳頭腫の発生増加が用量依存
性に認められたと報告している28)。以上の結果は,DCP
の癌原性を示唆あるいは示すものと考えられているが,
胆管癌の発症はみられていない。一方,現在までにヒト
におけるDCP の疫学研究はみられない。厚生労働省の
報告書1)では,DCP と分子構造が類似している1,2-ジ
クロロエタンや1,2-ジクロロブロモエタンの研究から,
DCP の代謝産物によってDNA 損傷を引き起こされる
可能性が推定されている。このようにDCP に関しては
明らかにされていない事項が多く,今後の検討が必要で
ある。
今後の課題
現在,厚生労働省はDCP の使用を原則として控える
べく指導しているように,職業癌など産業衛生の観点か
らの対策が重要である。厚生労働省の報告1)では,本件
事業場における胆管癌はDCP が原因で発症した「蓋然
性が極めて高い」と記載されているように,DCP が原因
であるとは断定されていない。すなわち,本件事業場で
使用された化学物質の詳細は同定されておらず,DCM
やDCP などの有機溶剤による胆管癌発癌のメカニズム
も不明である。一方,本件は化学物質などの環境因子が
胆管癌の強力な発癌要因となり得る可能性を示してお
り,種々の化学物質と胆管癌との関係について検討する
必要がある。現在,日本肝胆膵外科学会では「若年者胆
道癌の発症要因に関する研究」が,日本胆道学会では「胆
第40 巻第11 号2013 年11 月1453
a b
図1 胆管癌症例の病理組織所見
低分化型腺癌(a)およびcytokeratin 7 の
発現(b)がみられる。
(久保正二,竹村茂一,坂田親治・他: 胆管
癌の集団発生.消化器外科36(7): 1121-
1125,2013より引用)
CH2Cl2 CHOHCL2 HCOCl CO+HCl
HCOOH CO2
GSCH2Cl GSCH2OH GCH+HCHO
GSCHO HCOOH CO2
P450(CYP2E1)
O2
GST GSH
(GSTT1-1)
図2 DCMの代謝経路(文献19)より引用を改変)
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管癌の職業歴に関する調査」がプロジェクト研究として
開始されており,胆管癌の危険因子になり得る化学物質
の使用歴などについて検討することとなっている。さら
に,今回の事例は胆管癌に限らず種々の癌や疾患におけ
る環境因子の重要性について改めて示したものと考えら
れる。
文献
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28) 中央労働災害防止協会日本バイオアッセイ研究セン
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るがん原性試験報告書,2006.
1454



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